ス)イリス仕上がり2011/06/03

イリスは何度か重ね塗りが可能です。(詳しくは説明書を参考に)クリアの下地仕上げ用もありますが、無くとも全く問題ないです。

へらを少し押し当てながら扱くように塗りつけ、乾燥すると画像の様な感じに仕上がります。

しっかり塗ってあれば水分もはじくので、耐水性にも関わってくる部分。

イリスを使うまでは、各種沢山のコバ処理剤を使いましたが、今のところイリスで満足しています。

ス)裏面処理2011/06/03

裏面は手首と触れる部分だけに汗による影響が考えられます。

酷く濡れるとボンド剤が剥がれてしまう可能性もあります。
(普段使う分には問題ないけど)

そこで僕は裏面処理にレザーフィックスを使っています。樹脂系のコート剤なので水をはじきますし、使った印象も悪くありません。

とりあえずは無くとも困らない材料だとは思います。

ス)マルチステッチンググルーバー2011/06/03

この状態でほぼ完成ですが、仕上げにステッチングを行っていきます。

ステッチは予め開けた穴に糸を通していきますが、歪まないようにヘリからステッチラインを決めるためにマルチステッチンググルーバーが必要になります。簡易式のヘラでも何とかなりますが、素材の厚み形状で歪みが出るので、マルチステッチンググルーバーを使った方が良いと思います。

純正品は概ねヘリから3ミリ弱の位置にステッチが施されています。
今回はおおよそ2.8mm程度の位置で決めました。

マルチステッチンググルーバーのガイドをヘリに押し当てながら動かすと設定した距離でマーキングされるのでその位置を目安に穴を開けていきます。

ス)スタート位置2011/06/03

穴の位置決めのスタートは剣先の頂点部分。ここから左右に穴開けの位置を決めながら最終的にラグの部分で同じ位置(距離・ラグエンドから)になるように調整します。

スタートがずれると、最後の穴の位置が少しずれてしまうので、しっかりとセンターに来るように注意が必要です。

穴開けに使っているのはseiwaの丸ギリです。(細いヤツ)

茶カーフ2011/06/03

ヘリ返し無し仕様で茶カーフ作ってみました。

ちょっと雰囲気があって知的な優しい印象も感じるお気に入りに成長しました。

今まで作った360番のストラップの中では良くできた方だと思います。

ス)菱目打ち2011/06/04

スタートラインが決まったら、後は糸通しのピッチを決めていきます。

菱目打ちには3mm4mmがありますが、(出来ればその中間があると良かったけど)僕は4mmのピッチを好みます。

太めの糸を使いますので、3mmだとちょっと狭い印象。

菱目打ちを使うときは、穴開けの位置だけマーキングするように用います。ハンマーなどで打ち込むようには使用していません。

スタートの穴に菱目の端を入れて次の位置を決めるようにしますが、直線上になるまでは斜めに入れて2番目が決まる位置を確認しながら進めます。直線上になったら真っ直ぐあてて下さい。

菱目で位置決めをしていても少しずつズレが生じて来ます。片側終了後、半対側の位置決めをしているときに少しずつずらしながら(菱目の位置は変えないで気持ち押し込んだり離したりしながら)最後の穴の位置が同じ高さに来るようにします。

ス)穴開け2011/06/04

菱目で位置が決めたら、穴を開けていきます。

丸きりの(細)で一穴ずつ通していきます。

真っ直ぐ上から曲がらないように注意します。曲がってしまうと裏面のラインがずれてしまうので美しく決まりません。

ス)縫い合わせ2011/06/04

穴開けが済んだら糸で縫い合わせます。

僕がよく使うのはビニモの0番。
色はベージュを使うことが多いです。今回は焦げ茶のバファローに合わせて焦げ茶を組み合わせます。

糸の種類は沢山あって迷いますが、概ねナイロンと麻糸が多い感じです。ビニモはナイロンですが、予めワックスが染み込ませてあるタイプなので、ロウ引きの手間が省けます。

麻糸を使う場合(ワックス無し)縫い合わせる前にワックスにこすりつけてロウ引きを行う必要があります。

ス)縫い合わせ2011/06/04

最初に糸の長さを決めます。

おおよそ縫い合わせる長さの3倍ちょっと必要になります。
縫い合わせは通したいとの両端に針を取り付けして、交互に穴を通素一般的な方法です。ハンズとかでも縫い方のパンフレットはありますので、他を参照して下さい。


一穴通してから糸の両端を持って引く感じでテンションを掛けますが、その力の入れ方で仕上がりに違いが生じます。入れすぎると革が引かれて歪みますし、テンションが一定しないと縫い合わせ後のステッチのラインに乱れが生じます。

穴を通すときも出来るだけ同じ方向に糸を引いて同じアングルで糸が絡むように気を遣うと仕上がりが綺麗にいくと思います。

どんなに気を遣っても最初は多少は乱れます。
難しくは無いので、何度かやると綺麗にいくと思います。